Fiore Zattera
あたしの水、とテーブルの上を見回したら、幸が飲んでいた水を差し出してくれた。
「正気?」
「酔いに任せて言ってるけど、正気。壱花って誕生日一月?」
「ん。もう25歳」
なら良かった、と幸が微笑んだ。その口元が綺麗で、あたしはここ数日幸の何を見ていたんだろうと考えさせられる。
酔っていたから、という言い訳が通るのは何歳までなんだろうか。
幸の舌があたしの咥内を貪る。少し離れた身体の隙間を埋めるように、腰を抱き寄せられた。
唇が離れて、なんとなく幸の鎖骨に目が行く。