Fiore Zattera
そう言われてみれば……そうだった気もする。
「でも、これまであっちは彼女いたでしょ? なんで今更あたし? 戻ってきて家なくて体良くって感じ……しない?」
こんなこと言ってしまったけれど、あたしは幸を嫌っているわけじゃないし、幸を信じてないわけでもない。
ただ、こう、もやもやっとする。
あたしは他人に興味がなかったから。だから、ちゃんと知らない。
『知らないし、そんなの。高校生みたいな恋愛相談しないでよ』
「……お前に言ったのが間違いだった」
『でも、菱沼があたしの結婚式に来たのはさ』
踏まれた後が水っぽくなっている。