Fiore Zattera

雪合戦できる雪じゃないな。それでも小学生は喜ぶと思う。

『たぶん、壱花に会いたかったからじゃない?』

「でも、彼女連れてきてたって」

『それ、なんか会社の同僚だったらしいよ』

は?

新菜の向こうから『まーまー!』と実緒が呼ぶ声が聞こえた。そうだった、一児のお母さんだった。

「ごめん、じゃあまた」

『うん。壱花、良かったね』

電話を切った。良かった、って。
新菜のはあたしが幸のこと好きだって、知ってたのかな。







「大丈夫っすか?」

ランチとディナーどちらも入っていたあたしに、グレ男が尋ねた。



< 77 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop