Fiore Zattera
「つ、付き合って……ください?」
「なんで疑問形なのか謎だけど。喜んで」
あたしはその返答に満足する。
「そういえば、朗報」
幸の手が離された。あたしはブーツを脱いで、中に入る。
「ん?」
「部屋が決まった」
ああ、そういえば幸がうちに来てもうすぐ一週間。きちんと期間を守るあたり、優等生らしいなと思う。
その反面、そういうところあんまり好きじゃない。不良の血がそう言ってる。
ノートの提出期限も守れないあたしだから。
「おめでと」