Fiore Zattera

キレるところが似てるなんて、どんな優しさだって言われるかもしれないけれど。

唇が重なる。

あたしは二人の娘でいることが重荷だった。
それでも、二人の娘でいることが誇りだった。

「幸、ありがとう」

ずっと一緒に暮らしていたお母さんが急に死んでしまった。
だからもう良いと思ってたところだった。

神様がそれを阻むように、幸を連れてきた。

今更だと思った。ここを出て行って、いきなり帰ってきて。

あたしの忘れていた約束を守りに帰ってきたっていうのは、未だに少女漫画らしい展開だけれど。



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