Fiore Zattera
番外編
マチェドニア
働かないといけない理由なんて、星の数ほどあるのに、どうして面接やらで聞かれるのかが分からなかった。
どうしてここを選んだのか。
パッと浮かぶ答えは、距離と時給。
どんっと背中にぶつかられた。振り向いてその人物を見てみると、前菜の何とかさん。
「邪魔なんだよ」
ぼそっと呟く声が耳に届く。そうして、シンクの中にアルミのバットが乱暴に入れられた。
忙しいときはホールの人間より厨房の人間の方が気が立ってる。
いろんなところを回されて俺が得た知識。
人が少ない、それなのに下っ端を見ている余裕がない。