Fiore Zattera
土日が忙しいので、大体皿洗いに収まってる。
入ったときから扱いに困る、という反応をされる。黙っているだけで不愛想だと言われるし、見るだけで睨んでると言われてきた。
忙しい時間を過ぎて、皿洗いがひと段落した。それを見たようにオーナーが厨房に入ってきて、俺のところまで来る。
「ちょっと良いか」
返事をして、その後をついて行く。
ドルチェを作っている女のところまで来た。
「これから教育係をしてもらう菱沼。ドルチェ担当」
調理班には男の方が多い。ホールには女性ばかりだけど。
「ちゃんと挨拶しとけ」
ペティナイフを置いたその人が振り向いた。