ボットウーマン!
買った食材を冷蔵庫に詰め、洗濯物を取り込む。二十七の女の一人暮らしとは思えないほど殺風景な部屋だ、と友人に言われるのは、ベットとちゃぶ台以外壁側には一面本棚に埋め尽くされているからだろうか。今では申し訳程度にあるクローゼットにまで本が侵食している。
小さなカウンターにマグカップを置き、紅茶を入れる。ふと時計を見ると幼稚園の迎えの時間が迫っていた。
コートを羽織り、ポケットにケータイを入れ、服に合わないサンダルに足を突っ込む。仕事じゃないと全く外見に気を使わない。
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