先生は私の旦那様
政略結婚?
まだ登校するには早い時間…
私は校門をくぐり校舎へと足を進める。
校庭に植えられた桜に目が行く。先週まで豪華絢爛に咲き誇っていた桜も今は花びらを散らし青々とした新芽の葉で色直しをして行く姿は切なく寂しい。
後ろから駆け寄る足音…
「稀美果おはよう!」
朝から爽やかな笑顔で声を掛けてくれる彼は波瀬川尚樹(はせがわなおき)サッカー部のキャプテン。
長身でイケメンそのうえ気さくな性格で結構モテる様だ。
クラスは一度も一緒になった事はないが何故か気付くと側にいる。
「波瀬川君おはよう。今から朝練?」
「そう。稀美果はどうした?早いじゃん?」
「あっうんちょっと学園長に呼ばれてて…」
「学園長に呼ばれてるのか?ふーんじゃ俺行くわまた後でな!」と彼は部室へと走って行った。
本当は学園長に呼ばれている訳じゃなくて家にひとりで居るのが嫌で早く登校したのだ。
学園長室の扉をノックすると中から「どうぞ」と声がする。
私は小さく息を吐き扉を開けると薄い藤色のスーツを着、白髪をシニヨンにした女性が目に入る。
彼女は机に落としていた顔を上げこちらに優しい眼差しを向けてくれる。
「どうしたのかしら?早いわね?」と首を傾げる学園長。
「だってひとりで居てもつまんないから…」
頬を膨らませる私は円城寺稀美果(えんじょうじきみか)この学園長の唯一の孫である。
学園長は椅子から立ち上がると重厚感ある机の上に置いてある革のカバーの手帳を手に取る。それは亡き私の祖父から贈られたものでお祖母様は今も大切に使っている。
「あらあら困った子ねぇ? 私も今から会議に出るからここでお茶でも飲んでなさい。」と苦笑して部屋を出て行ってしまった。
「結局ひとりぼっちか…」
窓の外にはグランドが見え運動部が朝練をしていてさっき会ったサッカー部の波瀬川君の姿も見える。
私はお祖母様の秘書の櫻井さんに紅茶とクッキーを出してもらってスマホをいじって時間を潰す。
私は校門をくぐり校舎へと足を進める。
校庭に植えられた桜に目が行く。先週まで豪華絢爛に咲き誇っていた桜も今は花びらを散らし青々とした新芽の葉で色直しをして行く姿は切なく寂しい。
後ろから駆け寄る足音…
「稀美果おはよう!」
朝から爽やかな笑顔で声を掛けてくれる彼は波瀬川尚樹(はせがわなおき)サッカー部のキャプテン。
長身でイケメンそのうえ気さくな性格で結構モテる様だ。
クラスは一度も一緒になった事はないが何故か気付くと側にいる。
「波瀬川君おはよう。今から朝練?」
「そう。稀美果はどうした?早いじゃん?」
「あっうんちょっと学園長に呼ばれてて…」
「学園長に呼ばれてるのか?ふーんじゃ俺行くわまた後でな!」と彼は部室へと走って行った。
本当は学園長に呼ばれている訳じゃなくて家にひとりで居るのが嫌で早く登校したのだ。
学園長室の扉をノックすると中から「どうぞ」と声がする。
私は小さく息を吐き扉を開けると薄い藤色のスーツを着、白髪をシニヨンにした女性が目に入る。
彼女は机に落としていた顔を上げこちらに優しい眼差しを向けてくれる。
「どうしたのかしら?早いわね?」と首を傾げる学園長。
「だってひとりで居てもつまんないから…」
頬を膨らませる私は円城寺稀美果(えんじょうじきみか)この学園長の唯一の孫である。
学園長は椅子から立ち上がると重厚感ある机の上に置いてある革のカバーの手帳を手に取る。それは亡き私の祖父から贈られたものでお祖母様は今も大切に使っている。
「あらあら困った子ねぇ? 私も今から会議に出るからここでお茶でも飲んでなさい。」と苦笑して部屋を出て行ってしまった。
「結局ひとりぼっちか…」
窓の外にはグランドが見え運動部が朝練をしていてさっき会ったサッカー部の波瀬川君の姿も見える。
私はお祖母様の秘書の櫻井さんに紅茶とクッキーを出してもらってスマホをいじって時間を潰す。
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