先生は私の旦那様
そして待ちに待った3週間後の25日の金曜日の朝。

稀美果は朝早くからご機嫌でキッチンにいた。

直寿の大好きな卵焼きを鼻歌まじりに作っていた。
尚樹も好きだからと今日はハムを入れたものやネギを入れた物も焼いた。


「随分ご機嫌だな?」

パジャマ姿の直寿が顔を出す。

直寿が着ているパジャマはお揃いの白いシルクのパジャマで胸元には直寿と稀美果のイニシャルNとKが刺繍してあるもの。


「あっ直寿おはよう。もう起きたの?」


稀美果は直寿に笑顔を向けるも手を休める事なく


「まだ早いから寝てれば良いのに…」


今は4時半。碧と尚樹とは碧の家の前で7時に待ち合わせをしているから6時半に家を出れば間に合う。

名古屋までの長距離を直寿に運転して貰わなければいけないから少しでも寝てて欲しくて稀美果は直寿を起こさないようにそっとベットから出たのだが……


「もしかして私が起こしちゃった?」


直寿はキッチンに立つ稀美果を後ろから抱き首元へ「おはよう。」とキスをする。


「稀美果の温もりが無いと寝れなくなってるみたいだ。ん?お弁当作ってるの?」

「碧達と旅行なんて初めてだから嬉しくて、どうせならお弁当作ろうと思って。車だから荷物にならないし、あっコラ!」


稀美果がピーマンの肉巻きを作っていると先に作っておいた卵焼きを直寿がひとつ摘んで食べた。


「うん、美味い!」

「なんか俺と二人っきりより上島や波瀬川と一緒の方が楽しそうだな?」と拗ねたように直寿が言う。

稀美果は慌てて
「そんな事ない! 直寿と二人っきりの方が嬉しいよ!でも……」

こまったかおの稀美果を見て直寿は「冗談だよ!」と笑う。


その後は直寿もおにぎりを握って手伝ってくれ、お弁当を無事作ることが出来た。





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