先生は私の旦那様
水族館を出るとホテルの夕食には間に合わないからとイタリアンレストランに寄る事にした。
イタリアンは大勢で食べると色んなピザが食べれるからと私が提案した。特に今回は尚樹が居たから少しづつ沢山の種類の美味しいピザを食べる事が出来た。
ピザやパスタを食べていい加減お腹いっぱいだったが甘いものが大好きな碧は『あっティラミス食べたい!』と言って頼んだものの運ばれて来たティラミスのあまりの大きさに皆が絶句していた。


「あー食ったー食った!もう無理!何も食べれないから!」

「『何も食べれない』…ってそりゃーそうでしょう!?尚樹食べ過ぎだって! 腹いっぱいって言いながらも私のティラミスまで食べちゃうんだもん! 遠慮って知らないの!?」


碧は既にお腹いっぱいなのに、私が『無理して食べるの辞めなよ!』と止めても、『大丈夫』と言ってデザートのティラミスを無理して少しづつ食べていた。
それを尚樹は『あっ俺、それ食べたかったんだ頂戴!』と奪う様にして食べてしまった。
それは尚樹の優しさだって分かるのだが碧はそうは思っていないようだ。


「馬鹿だな遠慮するほうが失礼だろ? 知らない仲じゃないんだからさ! それにどうせ『ご馳走様』ってお礼言うんだぞ!? だったら腹いっぱい食ってからお礼行った方が良いだう?」


碧は呆れて言葉が出ないらしく頭を横に振ってただ『アホ』と呟いた。


直寿と私は顔を見合わせ笑った。

私が感じているように多分直寿も感じているのだろう。
今日1日ふたりと一緒にいて碧と尚樹の友達以上の仲の良さを見ていたのだから。本人達はまだ気付いて居ないみたいだけど…





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