先生は私の旦那様
ん…あれ?


いつもは目が覚める隣で眠る直寿の顔が目に入る。
でも今日は違っていてⅠ人で寝ていることに一瞬『あれ?』と思い隣のベットで気持ち良さそうに寝てる碧を見て『そうか!』と想い出す。
碧は食べ物の夢でも見ているのか、とても嬉しそうに微笑み口をモゴモゴと動かしている。

「碧。ヨダレ出てるよ」と呟いてみる。

私は、枕元に置いておいたスマホで時間を確認するといつも起きる時間の5時30分だった。最近は目覚まし時計がなる前に目が覚める様になっていた。

『旅行に来てまでこんなに早く目を覚まさなくても…』と、思い苦笑する。

多分体が覚えてしまったのだろう。
カーテンの隙間から外を除くと雲ひとつ無いいいお天気だ…… 旅行先で天気が崩れないのは有り難い事だが、雲ひとつ無いと言うのが真夏にとってはあまり嬉しくないと思うのは私だけだろうか? 今日も暑くなりそう…

直寿は起きてるかな?… 朝風呂でも行って来よう。


碧を起こさないようにそっと部屋を出てドアの鍵を閉めて露天風呂へと向うエレベーターを待っていると足音が聞こえて来た。


他にも私みたいに早起きしてお風呂へ行く人がいるのかな?

振り返ってみると… あれ? 直寿。


「おはよう。直寿も目が覚めたの?」

直寿は「おはよう」チュッ!と触れるだけのキスをしてくれる。

前に来た時もそうだが、直寿は知った人が居ない所に来ると積極的にスキンシップをしたがる。
私も嬉しくてそれを受け入れてしまうが今日は碧や尚樹が居るから控えてくれなくては困る。
でも…今はふたりは居ないからいいよね!


「隣りに稀美果が居ないと、ぐっすり眠れなくて、早く目が覚めたから朝風呂にでも行こうと思って。稀美果も?」

「うん。私も目が覚めたから、お風呂に入って来ようかと思って」


私は直寿の腕にに抱きつきエレベーターに乗り込んだ。






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