先生は私の旦那様
露天風呂には誰も入っていなくて貸し切り状態だった。

なんて贅沢なんだろう? 朝からこんな素敵なお風呂を独り占めだなんて… 碧も誘ってあげれば良かったかな?

お風呂を出ると直寿が待って居てくれた。
私は部屋までの少しの道のり直寿の左腕に絡みつくように甘えると直寿は微笑んで空いてる右腕で私の頭をポンポンと叩いてくれる。私は直寿のこの仕草が大好きだ。

「ねぇ食事が済んだら今日1日遊園地で遊んで良いんだよね? 碧達と絶叫マシン制覇するんだ! 直寿はどうする? 一緒に制覇してみる?」

直寿が絶叫マシンが苦手だと分かっていてちょっと意地悪して聞いてみた。
直寿は前回の事を思い出したのかとたんに顔を強張らせた。

「それだけは絶対に無理だから!」と直寿は懇願する。

「うん。分かってるよ! ちょっと意地悪してみたのごめん。」


部屋に戻ると寝ている碧や尚樹を起こして朝食を済ませると、早速遊園地に行こうと言うことになった。

私達は絶叫マシンを全て制覇すると言っていたので人気な乗り物には人の少ないうちに行こうと先ずはホワイトサイクロンへと向かった。


「へぇーこれかぁ世界最大級の木製コースターって言うのは? 『木製ならではのきしみ音や振動、強烈な横Gがさらに衝撃的なスリルを倍増させる興奮の迫力マシン。』ってネットで書いてあった。楽しみだ早く乗ろうぜ!」


興奮してる尚樹と違って直寿は落ち着きがなく目が泳いている。
それもそのはず直寿は絶叫マシンは苦手なのだから早くこの場を離れたいのだろう。


「じゃ、俺はそこでコーヒー飲んでるわ。ゆっくり楽しんで来いよ!」

とコーヒースタンドへ行こうとした直寿を尚樹が止める。

「クロリン何処行くんだよ?今からこれ乗るんだろ?コーヒーなんか後でいいじゃん!早く行こうぜ!」

「いや…俺は良い。3人で制覇して楽しんで来い!」

直寿の強張っている顔を見て尚樹はニヤッと笑った。





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