先生は私の旦那様
だから無理だって言ったのに…

ホワイトサイクロンに乗るために並んでいる時から落ち着かない様子だったし、乗り込んだ時には既に顔色が悪かった。係の人に『大丈夫ですか?』と聞かれて全然大丈夫じゃないのに『大丈夫…』と言って… もう変な所で強情になるんだから。

直寿はホワイトサイクロンから降りると前回と同じ様にベンチで私の膝枕で休んでる。


「直寿…大丈夫?」

「ああ…」直寿は額に手を当て大きく息を吐いた。

「まさかここまでとはなぁ… はい水!」

尚樹は直寿の為に水を買って来てくれた。

「有難う。 尚樹『ここまで』ってまさか知ってたの? 直寿が絶叫系がダメだって事…」

「まぁね。だけどここまで酷いとは思わなかった、クロリンが昨日俺をからかった罰なんてね! 稀美果、後は頼むな。俺達楽しんで来るからさ! 夕飯の時間まで別行動と言う事で二人の時間楽しんでよ! 碧、スチールドラゴン行こうぜ!」

尚樹と碧はにっこり笑うと「じゃ!」と行ってしまった。

碧が尚樹に話したんだね? 酷いよ! もう…
直寿…こんなにぐったりしちゃって… 可愛そうな直寿…

直寿の柔らかい髪を梳くように撫で、直寿の唇を中指でなぞると直寿の手が私の後頭部に回され引き寄せられる。そして…唇が重なる。

直寿は少し休むと顔色ももどり『もう俺は大丈夫だから尚樹達と絶叫マシンの制覇しておいで。』と言ってくれた。

でも、普段私達は外でデートなんて出来ないのだからせっかく遠くまで来たのだから直寿と一緒が良い。私は『直寿と一緒に居る』と言ってふたりで楽しむ事にした。

今回はなぜだか嫌がる事無く直寿が進んでメリーゴーランドへ向かったので不思議に思っていると直寿は私を白い馬へ乗せとびっきりの笑顔を係のお姉さんに向け『この娘怖がりなので一緒でも良いですか?』と、白馬の王子様キラキラスマイル作戦は今日も効果抜群で、またしても私は白馬の王子様に恥ずかしい思いをさせられてしまった。

その後もふたりで絶叫系以外の乗り物に乗り途中たこ焼きやソフトクリームを食べてお昼過ぎまで楽しんだ。



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