先生は私の旦那様
私達が地上に降りてもまだ夜空には花が咲いていた。

後ろから碧達も降りて来て

「凄かったね! 私あんな近くで花火見たの初めて」

「なっ凄かったよな!」

碧も興奮した様で尚樹と話している。

なんだか碧と尚樹に距離がまた縮まったみたい。だってふたり手を繋いで降りてきたもん。

「直寿?」

「ん?どうした?」

稀美果は目で碧達を見る様に直寿に合図する。
すると直寿はにっこり笑って、うんと頷いた。

その後、直寿には少し待っててもらい3人で絶叫マシンを、楽しんだ。
夜に乗る絶叫マシンは昼とまた違ったスリルがあって最高だった。このスリルを直寿は多分一生味わう事は無いだろう。
私としてはこんな楽しいスリルを味わえ無いのは損してると思うが、直寿からしてみれば『大きなお世話』だろう。

私達は閉園時間22時まで夜の遊園地を楽しんだ。



翌日は朝食を済ませると売店でお土産を買い道も混むからと遊園地を後にした。

帰りの車も楽しく私達は「良い思い出が出来たね」と喜んでいた。

夕方、碧の家に着くと

「尚樹、家まで送って行くぞ?」と言う直寿に

「いや、メールしたら、親父が帰りに拾ってくれるらしいからここで良いよ!」

そして碧と尚樹は二人改まって

「「クロリン、有難う御座いました。これはほんのお礼です。」」と、ふたりから直寿に封筒が渡された。

「ん?なんだ?」

「まぁ帰ってから二人でゆっくり見てよ! じゃーな!」

と、尚樹はちょうど迎えに来たお父さんの車に乗り帰って行った。

碧もニコニコ笑って「クロリンお疲れ様! 稀美果じゃーね!」と家に入った。






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