先生は私の旦那様
そして1年前再び参加したパーティーで耳を疑う話を聞いた。父と懇意にしてる建設会社の社長、藤原さんとの話だ。


「あの人も困った人だよいくら会社を大きくしたいからと高校生になったばかりの女の子をねぇ… ひとつ間違えたら犯罪ですよ?」と藤原さん苦笑している。

「そんな話が出てるんですか? 可哀想に…」と父も顔を歪めている。

「親父なんの話?」

「実は星蘭華学園の孫娘と日の下建設の社長との縁談が出てるらしい。前々から星蘭華学園は経営が厳しい様だと噂には聞いて居たがそこ迄だったとは…」

「日の下建設の社長って結婚していただろ? それにさっき高校生なったばかりの女の子って? 親子より歳が離れているだろ?」

「あぁ…女遊びが酷くてねぇ…去年奥さんが家を出ていったらしい。日の下さんは学園を手に入れたら学園を潰してあの一帯を買い占めそこに商業施設を作るって噂があるそうだ。創立者の円城寺さんは私も良く知っているが子供達の事を第一に考えておられる人で教育者の鏡のような人だ。本当に残念だよ…あっほらあそこの壁際に座ってる綺麗な子だよ」


父の視線の先には去年見かけた女の娘が居た。


えっ?あの娘が……
じゃー去年あった時はまだ中学生だったのか?
とても綺麗でそんなふうには見えなかった。今も高校生になったばかりだなんて思えない。


「親父、星蘭華学園をうちが助ける事は出来ないか?」

「直寿…私も出来る事なら助けてあげたいが、しかしな…」

「うちの学園と提携を結んで姉妹校にしたらどうだろう? 経営もうちの頭脳集団を駆使すれば、うちも大きくなるし円城寺家も助かる。互いにメリットはあると思う。」

「直寿、おまえ本気か?」

「ああ、あの娘だって日の下さんの様なじぃじぃより俺の方が良いだろ? 親父頼むよ!」

「お前がそこまで言うなら円城寺家に話を持って行こう。ただし、あのお嬢さんを傷つける様な事はするなよ! 私も娘を持つ親だからなそれだけは言っておく。まぁ直寿はそんな馬鹿じゃないと分かっているが…」

「ああ、彼女を泣かせたりしない。約束するよ。ありがとう。」


そして提携の話が進んだ。


稀美果…俺は君を泣かせたくないんだ…
あの日見た君の笑顔を見ていたいんだ。



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