先生は私の旦那様
今まで黙っていたお祖母様が急に笑いを堪えながら話しだした。


「健人さんあなたは何も言えないですよね?あなた達より歳は近いですし、あの時菜美はまだ一年生でしたからね。稀美果、貴方のおとう……」

「お義母さん!!」


お祖母様の話を遮ったのは父だったが気にせずお祖母様は話を続けた。


「自分達の事を棚に上げるのはどうかしら?」とお祖母様が微笑んで言う。


お祖母様の微笑みはお父様には悪魔の微笑みに見えているようで、顔が強張っていくのが分かった。
お父様は1つ大きなため息をつくと…


「分かりました。 直寿君の人柄も稀美果に対する想いも見ています。経営者としての素質も十分わかっています。私は稀美果が幸せになってくれればそれで良いです。」


お父様は少し拗ねたように言うとそっぽを向いてしまった。


こんなお父様初めて… ちょっと可愛く思ってしまう。


「稀美果、良かったわね! 私も嬉しいわ! イケメンの息子が出来て!」


お母様は喜んでくれお祖母様は…


「直寿さん稀美果をよろしくお願いします。そして学園の事よろしくお願いします。」

とお祖母様が頭を下げてくれた。


直寿は「はい、必ず幸せにします。」と言ってくれた。


皆んなの前で私は署名の横にハンを押した。
その後、私はお祖母様の話が気になって…


「ねぇ?あの時お母様が一年生でしたってなんの話?」

「あのねパパとママはママが高校1年生の時に付き合い始めたの。で、ママが16歳になると直ぐに結婚したのよ❣」

お母様は楽しそうに話してくれるが、お父様は罰の悪そうにしている。

「えっー!! お父様ってその時いくつだったの?! お父様は今は47歳でお母様は35歳でしょ!……えっー!! 28歳!? ってか私9月生まれだけ…えーと…」


私が頭の中で計算しながら話しているとお父様は動揺しているようで…


「稀美果はそんな事計算しなくて良いから! もうその話終わりにしなさい。まだ二人共病み上がりなんだから自分達の家に帰って体を休めなさい!」とお父様に言われてしまった。


お母様とお祖母様は笑いを堪えて居る様だった。


これで本当に…
私達夫婦になちゃいましたウフフ。

でも夫婦としての生活が始まったのに直寿は今でもキスはしてくれても寝るときは手を繋ぐだけ……
ちょっと寂しくモヤモヤしている私なのです。
そしてこの春から櫻瞳華学園と星蘭華学園は姉妹校になり直寿は星蘭華学園に移動となったのです。



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