先生は私の旦那様
大目に見てくれても…
稀美果は学園長室に居た。


そろそろスマホをいじるのも飽きてきたな…


そんな時、部屋の扉が開いてお祖母様が入って来た。
どうやら会議は終わったようだ。


「あら?稀美果まだ居たの?もう直ぐチャイム鳴るわよ?」


お祖母様が言ったその時ホームルームのチャイムが鳴った。


「ヤバイ!お祖母様じゃ!」


稀美果は慌てて学園長室を後にする。
学園長室から飛び出し廊下を走って階段を3階まで一気に上がり一番奥の3年5組の教室まで来る頃には息が上がっている。
そして勿論、ホームルームは始まっていた。


ヤバイ!……


ハァハァと息を切らせながら教室の後ろのドアをそっと1人通れるくらいに開け四つん這いになりながら先生に見つからないように小さくなって自分の席まで行く。
椅子をそっと引き屈みながら椅子に座り前を向くと腕を組んでこちらを見てる先生と目が合う。


ひぇー! 見つかってる……


「円城寺おはよう。お早い登校だな?」と先生に嫌味を言われる。


クラスの皆からはクスクスと笑いが漏れる。


私は椅子から立ち上がり「すいません。遅くなりました。」と頭を下げる。

「気にするな放課後資料室の掃除な!」

「えっー」

「何か?」先生はメガネの奥の瞳を細める。

「な…何でもありません…」


はぁー…またやってしまった。今週2回目だ……

先生は私の耳元で「楽しみにししてる」と妖しく囁く。






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