先生は私の旦那様
「なんだよ!こんな所に居たのかよ?すんっげぇー探したし、声ぐらい掛けろよな!」


息を切らしながら現れたのは波瀬川君だった。


「なんで尚樹に声掛けなくちゃいけないのよ!?」

「いつも一緒に食ってるだろ!?」

「一緒にってあんたが勝手に来てるだけでしょ?」

「うるせー!」


確かに波瀬川君と一緒に食べると約束していなし、いつも波瀬川君が勝ってに来てる訳で、私達とはクラスも違うからわざわざ声を掛けに行くのもどうかと思う。
でも波瀬川君と碧って本当に仲がいいなぁ。


私はふたりのいつもの掛け合いが楽しくて笑っていると、


「稀美果、何笑ってるのよ!?」と碧に怒られる。

「あっごめん。ふたり仲良いなぁっと思って」


ふたりは「「はぁ?」」と同時に言いふたりして顔を顰める。


ほら!息もぴったりじゃない。


「あっ稀美果、玉子焼きちょうだい。」


私が返事をする前に波瀬川君が摘んで食べてしまった。


「もぅまだ返事してないでしょ!」

「稀美果の玉子焼き旨いんだよな! 俺の舌にピッタリあう。」

「お褒め頂き有難うございます。」

「なぁ自分で作ってるんだったら俺にも弁当作って来てよ!」

「どぅして私が作らないといけないの?やだよー」

「チェッ!ケチだなぁ」

「ぅわー尚樹ふられてやんの!ザマ!」

「うるせー!」と言って波瀬川君は自分のパンをかじる。



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