先生は私の旦那様
彼女の見下した言い方や、私を下から上へ品定めするような眼…
初対面だけど、この人だけは仲良く出来ないと思う。
出来る事なら今すぐこの場を離れたい。
でも…直寿の名前が出てきては……直寿と彼女がどんな関係なのか知りたい……


稀美果は本意ではないが彼女に付いて行くことにした。


「分かりました。でも、あまり遅くなれないので近場で…駅前のファミレスで良いですか？」

「良いわ、じゃー乗って！」と野田優香は赤いスポーツカーの助手席のドアを開けた。


稀美果は助手席に乗り込むとスポーツカーの座席は低く稀美果の知ってる車とは随分違って乗り心地が悪く落ち着かなかった。
車内はタバコの臭がして気分が悪くなる。近場だったから我慢は出来たが、二度とこの車には乗りたくない。


ファミレスに入るとを比較的空いており直に席へ案内された。案内された席は窓際だった。
窓の外を運動部だろうかジャージ姿の同じ学校の子達が楽しそうに話しながら通り過ぎて行く。
その中に波瀬川尚樹も居た。彼は稀美果に気付き微笑んで手を振る。
稀美果もそれに応えて控えめに手を振ると野田優香はそれを見てフッと鼻で笑った。


「あら？なかなか格好いい子じゃない？あなたには直寿より彼の様な子が似合うわ」と野田優香は微笑む。

「どういう意味でしょうか？」


稀美果には野田優香の言っている意味が分からなかった。










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