先生は私の旦那様
野田優香は煙草に火を付け吸って煙を稀美果に向かって吐き直ぐに煙草を消し稀美果に冷たい視線を向け

「お子様にはお子様が似合うと言うことよ!」と言う。


お子様…
そりゃー綺麗でスタイル良い大人の女性の彼女にしてみれば私達はお子様だろう……
だからと言ってそんな失礼な言い方はないと思う。


「私、回りくどい言い方は嫌いだからはっきり言うわ!政略結婚なんてやめてくれないかしら?」


え?私と、直寿が結婚している事は両家の身内しか知らない事…… なぜ… この人が知ってるの?


「違います……政略結婚なんかじゃありません!」

私達は愛し合っているから結婚したの…

「あらそうなの? まぁそんな事はどうでもいいわ! とにかく直寿と別れてくれれば良いわ。ねぇおねがーい!」と甘えた声を出し顔の前で手を合わせ微笑んでみせた。


でも、その微笑には彼女の眼は全然笑っていない。


なぜ…私達が別れなくちゃいけないの?…
なぜ…彼女にそんな事を言われなくちゃいけないの?…


野田優香は稀美果の考えている事が分かったようで


「私達、以前付き合ってたのよ! 体の相性もとっても良かったのに別れちゃって、他の人と付き合ったけど直寿以上に相性の良い人は居なかったわ。こないだの水曜日も直寿と抱き合ってやっぱり相性が良いって再確認したわ。だから直寿を私に返してくれないかしら?」


水曜日って……校門前で抱き合っていた人ってこの人だったの? 再確認したって……まさか噂にあったようにホテルへ……
でも…返してって言われて『はいどうぞ!』なんて言えるわけ無い。


「ねぇあなたは直寿と体の相性どう? 良いのかしら?」

「…そ…それは……」

「あれ? まさかエッチをまだしてないとか言わないわよね?」

「…………」


言えない… 言い返したくても何も言えない。
キス以上の事は何もしていないのだから相性が良いだとか悪いだとか分かるわけないし、もしそういう事をしていても人前で言える筈もない。


「ヤっだーしてないの? やっぱり直寿お子様相手じゃダメなのね! あなたが直寿を満足させられるわけ無いものね!」と彼女は鼻で可笑しそうに笑った。






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