先生は私の旦那様
『俺達も帰るぞ!』と会計を済ませてくれた直寿の後ろを付いて行く。

ファミレスの駐車場には直寿の車があった。


「ねぇ私、歩いて帰るよ……直寿の車に乗る所を、誰かに見られるとまずいでしょ?…」


稀美果は直寿に色々と聞きたい事があったけど、それは帰ってからにして、今は誰かに見られるとまずいからと踵を返して自宅へと歩き出す。


すると『稀美果待て!』と直寿に腕を捕まれ車へと乗せられる。


「だ…誰かに見られると……」

「娘が門限に帰らないと家族から連絡が合って担任が探していた。十分理由になる!」


『娘がねぇ……』と稀美果は不貞腐れて呟き車窓から見える街並みに目を向ける。




自宅に戻ると直寿に「座れ!」と言われる。

稀美果がソファーに座ると直寿も座る。


「知らない人に付いて行くな! って教わらなかったか!? ったく.どれだけ心配したと思ってるんだ!! また波瀬川って奴と一緒かと思って行ってみたら優香と居るし! 何やってるんだ!!」


ハァー? 直寿怒ってる? ってか私が怒られるのおかしくない?


バンッ!!
稀美果はテーブルを両手で思いっきり叩いて立ち上がる。


「稀美果……?」それを見て直寿は目を丸くして驚いているようだった。


「なんで、わ、た、し、が怒られないといけないの?! 怒りたいのは私の方でしょ!! 私がどんな思いをしていたと思ってるの?! 家の外では先生と生徒で… デートすら出来ないのに… 直寿が綺麗な人と校門前で抱き合っていたとか、仲良く彼女の車に乗って行ったとか、ホテルに行ったとかいう噂を聞いて私ずっと不安だったんだからね! 直寿にそれとなく聞いても嘘つくし! 何が大学の頃の友達と偶然会ったよ! 嘘つき!! 嘘つくなんて有り得ないんですけど! 今日は今日で彼女に待ち伏せされるわ! 体の相性がどうとか言われて、終いには別れろってどういう事よ!!」











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