先生は私の旦那様
ネックレスを買ってもらうと稀美果はそのまま着けている事にした。
余りにも嬉しかったようで稀美果はずうっとクラウントップを嬉しそうに触っている。


「稀美果!そんなに触ってるからクラウントップ少し小さくなったみたいだぞ?」

直寿が真面目な顔をして言うから稀美果は「嘘!」と慌ててクラウントップから手を放し手を上げる。

稀美果はクラウントップが本当に小さくなったのか見たくて下を向いてみるがクラウントップは見ることが出来ず、「どうしよう……」と直寿に不安な顔を向ける。


不安そうな顔をし手を上げてる稀美果はまるで強盗にでもあっているようだ。その姿を見た直寿はクククッと喉の奥で笑う。


「直寿?……あっ!もぅー馬鹿!嫌い!」


稀美果は直寿の嘘に気付いた様で頬を膨らませ直寿の胸を拳で叩く。


「ごめんごめん!」と直寿は笑い「でも稀美果がそんなに気に入ってくれて俺も嬉しいよ」と微笑んで稀美果の肩を抱く。


その後も色々とショップを見て回ってふたりは楽しい時間を過ごした。


「じゃーそろそろ行こうか?」

「そうだね…遅くなっちゃうもんね……」

稀美果は名残りおしそうに言う。


車に乗ると直寿はエンジンをかけ車を走らせ遊園地の駐車場を出るとまた直ぐに車を止めた。

そこは遊園地と隣接するホテルの駐車場だった。


「今日は帰らずここに泊まって行こうと思うけど、稀美果はどうする?」

直寿は首を傾げてにっこり笑う。

もう楽しい時間は終わると思っていた稀美果は驚いて喜ぶ。


「えっ? どうする?って良いの? 直寿ホント? まだ帰らなくてもいいの? まだ楽しんで良いの? ヤッター!!」


車から降りると直寿はトランクから小さいボストンバッグを1つ出した。

直寿は初めから泊まるように準備して来ていたようだ。


「直寿…私は泊まる用意して来てないよ…」

「大丈夫だよ。ホテルには浴衣も用意されてるし、さっき買った洋服もあるだろ?」

「うん…」

そうだけど…下着は……
下着ってホテルの売店で売ってるのかな?…
泊まるって聞いていたらさっきのアウトレットで買ったのに…






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