先生は私の旦那様
それは親友の碧に買い物に付き合って欲しいと言われて隣町のデパートへ行った時の事…


「碧、何買うの?」

「前々から彼に誘われてたんだけど、実は来週の土曜日彼の家に初お泊りなんだ! ついに私もバージンとおさらばよ! それで勝負下着を買いに来たって訳! ついでに稀美果も勝負下着買いなよ! いざって時の為にさ、私が選んであげるからさ!」


そして碧が選んでくれたのは黒のレースのブラジャーとパンティのセットだった。

でも、私は「そんなの無理!」と言って碧が選んだ物ではなくピンクのシルクにフリルをあしらった可愛い系の物を買った。


「碧の彼って大学生だったよね?」

「うん!バイト先で知りあったんだけどね、格好良くてね優しいんだよ。今度稀美果にも紹介するね! 稀美果も早く彼氏作りなよ! あっ彼に友達紹介しくれる様に頼もうか?」

「…ううん…紹介はいいよ。」


私には直寿が居るもん!まだバージンだけど…


「まぁ稀美果はお嬢様だし学園の事も有るからね一般人ではダメだよね?」と顎に手を当て考えている。

「え? 私も一般人だよ……」と稀美果が悲しそうな顔をする。

「アハハ冗談だよ! 私はそんなふうには見た事ないよ!」


入学した当初、学園長の孫だからと興味本位で男女問わず私の側に寄って来たり、何かにつけて『学園長の孫だからでしょ?』と陰口を叩かれたりした。

クラスでもちょっと意見を言ったら『学園長の孫は言うこと違うわ』とか『じゃー学園長に聞いておいてよ!』と嫌味を言われる事も多かった。

だから私は目立たないようにして意見を言ったりする事がなくなった。

でも碧が『学園長の孫だろうが関係ないじゃん! 私達は同じ高校生なんだから! 稀美果だって学園長の孫だって鼻にかけたり傲慢な態度なんてしないてしょ!? 皆んなも稀美果をちゃん見てあげなよ!』と言ってくれたお陰で同じクラスの子達だけじゃなく他のクラスの子達からも嫌味を言われる事は無くなった。


「でもさぁ私達の周り初体験終わってる子結構いるじゃん! 彼からも『俺の事嫌い?』って言われて何度も断るのはって思ってさ彼の家にお泊りする事にしたんだよね…」


だが間もなくして彼が同じバイト先の女の子を家に泊めた事を知り碧が彼に『二股かけてたの?』と問い詰めたら『お前全然やらせてくれないし、やらせてくれない女に興味ないから!』と言われ大学生の彼とは別れてバイトも辞めた。

今は別の人と付き合って居るようだが『もう少しバージンは大切に持っておくよ!』と言っている。













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