先生は私の旦那様
稀美果は部室に向かった。



稀美果が部室の前まで来ると中から賑やかな声が聞こえて来る。



「えーやだー」 

「みっちゃんってクロリンより歳上でしょ?」

「確か27とか28だったと思うよ!」

「へぇーじゃー本気でアタックしてるんじゃない?」

「でも、クロリン彼女が居るでしょ?」



ガラガラガラ



部室に入ると部員全員が揃っていた。



「あっ先輩!こんにちは!」と日比野さんか声をかける。



「賑やかね?何話していたの?」



稀美果は廊下まで聞こえていた話に直寿の名前が出てきた事が気になっていた。



「みっちゃんがクロリンを狙ってるって話なんですよ!」



みっちゃんとは三井先生で音楽の先生である。



そして女子生徒の間では直寿の事を親しみを込めてクロリンと呼んでいる。



稀美果は吃驚したような顔をし「えっ?」と発し固まってしまった。



あまりにも稀美果が驚いて居るので話して居た女子生徒は困惑顔をする。



「先輩…稀美果先輩!」



「あっごめんちょっとびっくりしちゃって…」



朝をお祖母様が『直寿さんは生徒からも先生達からもモテるから大変ね?』と言っていた言葉を思い出す。



「でも黒木先生は彼女が居るでしょ?」



「でも、最近彼女のお手製お弁当が無いらしくて別れたって噂が有るんですよ!それでみっちゃんが狙ってるらしくて」



「私、先週見たんですよ!みっちゃんが胸を強調しながらクロリンに食事に誘ってるところ」



三井先生は中学からずっと合唱部だったと聞いた事がある。そのせいかどうかは知らないが確かに三井先生は胸は大きい。



「クロリン顔を赤くして可愛かったんですよ」とその時の事を思い出しているのかクスクスと笑っている。



< 77 / 119 >

この作品をシェア

pagetop