先生は私の旦那様
稀美果は家に帰って来ても何もする気が起きなくてソファーに座っていた。



直寿が帰って来たのにも気が付かずボーとしていた。



「なんだ稀美果居たのか?電気も付けずにどうした?」



直寿が電気をつけてやっと直寿が帰って来たのに気が付いたのだ。



どれだけボーとして居たのだろう外はすっかり暗くなっていた。



あ…食事の支度してなかった…

確かまだカレーが冷凍庫にあった筈…



「まだ何も作って無いのカレーで良い?」



「あぁ良いよ!あっこれ学園長から弁当箱預かって来た。これって俺の…」



「あっありがとう!たまにはお祖母様に食べて貰おうと思って作ったの」



稀美果は直寿の言葉を遮り言うとお弁当箱を直寿から受け取り「直にカレー温めるから」とキッチンへ入って行った。



どうして聞けないのかな?…

朝、お弁当貰ってる所見たんだよ!

私のお弁当は要らないって言ったのに…

どうしてあの子達のお弁当は受け取るの?って…

素直に聞けばいいのに…

なんでかな…

なんで聞けないのかな…



稀美果はサラダを作ろうと玉ねぎをスライスしてキュウリを切る。



「痛っ!」切ったゃった…



玉ねぎをスライスしたから目に染みて涙で手元が良く見えなかったのだ。



「やだ…そんなに痛くないのに…涙が止まらない…」



「稀美果どうした?指切ったのか!?」



直寿は稀美果の手を取ると血の滲む指を自分の口に咥える。



稀美果は直寿の仕草にドッキ!として顔を赤らめ俯く。



「直寿、大丈夫だから…」



「ちょっと待ってろ!」と直寿はキッチンを出て行き絆創膏を持って戻ってきて稀美果の指に巻いてくれる。



後は俺がやるからと言われ稀美果はキッチンを出てダイニングの椅子に座っていた。



直寿は野菜サラダと冷凍して置いたご飯とカレーを温め、テーブルに用意してくれた。



「稀美果、食べよう!いただきます」「いただきます…」と挨拶をして食べる。



「稀美果今日…」



「カレーが冷凍してあってほんと良かった。あっ宿題が有るんだ食べたらやらなくちゃ!」



稀美果は直寿の話を遮り言うと急いでカレーを食べて席を立つ。



「あ…後で洗うからお水に浸けて置いて…」



稀美果は自分のお皿を水に浸け2階に上がって行った。




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