先生は私の旦那様
昼休みになるといつものように屋上にいた。



「ハァ…」



「もう…どうしたのよ溜息ばから付いて?稀美果、昨日からおかしいよ?」



「私って可愛くないよね…聞きたい事があるのに素直に聞けず…言うつもりなんか無い嫌味はつい口から出て来ちゃうし…ハァ…」再び大きな溜息が出る。



ベンチに座る稀美果達に向かい合う様に地面に座り込んで波瀬川尚樹は稀美果から渡された直寿用のお弁当を嬉しそうに食べて居た箸を止める。



「稀美果は可愛いよ…聞きたい事が有るなら何でも聞けよ!」



波瀬川尚樹は顔を真っ赤にして言う。



「尚樹サッカー馬鹿のくせに顔赤くしてさり気なく告白してんじゃないわよ!」



碧がからかっているが稀美果にはふたりのやり取りは聞こえていなかった。











「今日は夕飯どうしよう?1人だと作るの面倒だな…」とキッチンの食品庫を開ける。



稀美果は買い置きのカップ麺を手に取りこれで良いか…とカップ麺を作るべくやかんにお湯を沸かす。



その日の夜は以前から決まっていた食事会に直寿は学園長達と出掛けていた。

櫻瞳華学園と、星蘭華学園が来年度から姉妹校として本格的に動き出す為である。

各学園の教師を派遣し合って情報交換や交流を深め意識改革を図ろうという事らしい。




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