先生は私の旦那様
「あれは告白とかじゃないから…」いや…告白かな… 「だって私、波瀬川君の事そういう目で見た事無いし…」



「じゃー何?あれは何だったのよ?」と碧はニヤっと笑う。



「えーと……それは…そっ!携帯小説を書こうかなーて…構想を練っていたわけで…だから告白とかじゃ無いから!」



「なぁーんだつまんないの。まぁ尚樹なわけ無いと思ったけどさ!携帯小説かー、ねぇ恋愛物書くの?出来上がったら1番に読ませてよね!」碧は身を乗り出し目を輝かせる。



取り敢えず碧が納得してくれたようでホッとした。



「う…うん…出来上がったらね……」稀美果は眉を下げ曖昧に返事をする。 



多分…一生出来上がらないと思うけど……



まあ暫くは騒がしいだろうけど、自分の巻いた種だから仕方ない…

なんとか携帯小説って事で誤魔化そう。

うん!それが一番無難だわ!

どうせ噂も七十五日って言うしね。

そんなには長く騒がれないでしょ!…



まさかこの後大変な事になるとは稀美果も思っていなかった。






授業が終わり部室に行くと放送部の中でも話題になっており、後輩たちからも色々聞かれた。

だが、携帯小説を書こうとしていると言うと…

「えー違うんですか?がっかり…先輩が好きになる人だから素敵な人だろうと楽しみにしていたのにー」と残念がってくれる。

それが嬉しいやら悲しいやら、稀美果はとても複雑だった。稀美果はごめんね!と苦笑する。



「で、悪いんだけど、私の馬鹿な放送事故の真相をみんなの周りだけでも訂正しておいてくれると助かるんだけど…」



「はい!分かりました。そのからり小説書いたらお昼の放送で流して下さいね!そしたら皆んなも喜ぶと思うので!」



えっ?…

ほっ放送って…そんなの無理でしょう…

まぁ本当に書くわけじゃないから心配する必要無いんだけどね…



「う…うん…うまく書けたらね…」





















< 83 / 119 >

この作品をシェア

pagetop