先生は私の旦那様
【夕焼けと少女】と題した絵画、茜色に染まる空とそれを写す海のコントラストがとても綺麗でワンピースを着た少女が長い髪を靡かせ手にはサンダルを持ちこちらに笑顔を見せている。とても幸せそうな笑顔。
彼女の笑顔はきっとこの絵を描いた画家へ向けられたものだろう。
この画を描いた画家は亡き祖父でモデルの少女は祖母なのだ。
祖父は海外留学後、有名な賞を貰い今や祖父の画は、はがきサイズでも10万はするとの事。
この部屋に飾ってある物は50号サイズの物でそれなりの金額になると思う。
波瀬川尚樹は何も言わず視線を窓の外へ向けて立っている。
「ごめんね、こんな所まで連れて来ちゃって? 座ってお弁当食べよう?」
稀美果はテーブルに作って来たお弁当を広げた。
昨夜、碧の分もお弁当を作って行くからと碧にメールをしていたのである。
碧は動こうとしない波瀬川尚樹のネクタイを再び引っ張りソファーに座らせる。
。
「気にしない気にしない! こんな所めったに入れる事ないからさ! 良い体験だと思ってるよ。で、聞かれたくない話って何?」
碧は左手に鮭のおにぎりを持ち箸で卵焼きを「うん、美味しい」と食べている。
「実は私、結婚してるの」
「は?何言ってるの?」碧は稀美果の言った事が分からないようである。
「えーと直寿…黒木先生と結婚してるの…」
「えっー!!!!!」
勿論、驚きの声を上げたのは碧ひとり。
碧は口に入れようとしていたタコさんウイナーを落としさらに持っていたおにぎりも落としかけた。
そして驚くどころか顔色ひとつ変えない波瀬川に碧は「知ってたの?」と聞くように顔を向け波瀬川はうん…と頷く。
彼女の笑顔はきっとこの絵を描いた画家へ向けられたものだろう。
この画を描いた画家は亡き祖父でモデルの少女は祖母なのだ。
祖父は海外留学後、有名な賞を貰い今や祖父の画は、はがきサイズでも10万はするとの事。
この部屋に飾ってある物は50号サイズの物でそれなりの金額になると思う。
波瀬川尚樹は何も言わず視線を窓の外へ向けて立っている。
「ごめんね、こんな所まで連れて来ちゃって? 座ってお弁当食べよう?」
稀美果はテーブルに作って来たお弁当を広げた。
昨夜、碧の分もお弁当を作って行くからと碧にメールをしていたのである。
碧は動こうとしない波瀬川尚樹のネクタイを再び引っ張りソファーに座らせる。
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「気にしない気にしない! こんな所めったに入れる事ないからさ! 良い体験だと思ってるよ。で、聞かれたくない話って何?」
碧は左手に鮭のおにぎりを持ち箸で卵焼きを「うん、美味しい」と食べている。
「実は私、結婚してるの」
「は?何言ってるの?」碧は稀美果の言った事が分からないようである。
「えーと直寿…黒木先生と結婚してるの…」
「えっー!!!!!」
勿論、驚きの声を上げたのは碧ひとり。
碧は口に入れようとしていたタコさんウイナーを落としさらに持っていたおにぎりも落としかけた。
そして驚くどころか顔色ひとつ変えない波瀬川に碧は「知ってたの?」と聞くように顔を向け波瀬川はうん…と頷く。