先生は私の旦那様
「今まで隠しててごめん。 皆んなに知れると色々と問題があるから、親友の碧にも言えなかったのごめんね!」



「マジで黒木と?……」



稀美果はうんと頷き、直寿と出会ってからの事を話した。

初めは政略結婚だった事も全て。



「お金持ちの世界も大変なんだね? 庶民の私には分からないけど…」



「初めは政略結婚って話だったけど、結婚したのはお互いに好きになったからだよ! 誓って政略結婚じゃないからね!!」



「稀美果の話し聞いたら、黒木の稀美果への愛を感じるわ! 婚姻届にサインさせても役所に出さずに居たんだからね。 黒木って見た目も良いけどホント格好いいわ! 尚樹が敵う相手じゃないわ!」



碧は波瀬川尚樹の肩を「諦めろ!」と叩いた。



「波瀬川君、ごめんね…私がお弁当を安易に渡したりするから誤解を招いたんだよね…反省してる…」



「……違う! 稀美果のせいじゃない。 俺が自惚れて勘違いしたんだ…稀美果は俺に友達以上の気持ちなんか無いって分かって居たのに弁当貰って、あの放送を聞いて自分の事だって勝手に思い込んだ俺が馬鹿だった。 ごめん…本当に昨日は悪かった」

波瀬川尚樹は立ち上がり思いっきり頭を下げた。



昨日って何?と言う碧に波瀬川尚樹は自分の行動を話して聞かせた。



「馬鹿!!」と碧から波瀬川尚樹は一喝されしゅんと小さくなり「ごめん」と言う。



「まーね私もあの放送聞いて尚樹の事かと一瞬思ったからね…でも、黒木の下の名前ナオトだったか? そりゃーあの放送じゃー勘違いするわ!アハハハハハ」



「「ごめん…」」稀美果と波瀬川尚樹が二人揃って謝った。




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