先生は私の旦那様
「本当に良いの?」


疑いの目で見る稀美果に直寿は気にする事なく、こんがり焼けたハンバーグを盛り付け「あっ目玉焼きが無くちゃな!」と言って冷蔵庫から卵を取り出す。



直寿は絶対反対すると思っていたから拍子抜けした。

なんだか寂しい気持ちもあり稀美果は少し不貞腐れる。



「なんだ、つまんない!」



「稀美果は波瀬川とどうにかなるつもりなのか? それなら話は別だぞ? 俺は稀美果を離さないと言った筈だよ。 稀美果を信用してるからこそこの話に乗るんだ。 稀美果が卒業するまで周囲にはバレないように気を付けないといけないからな。 でも、結婚してる事を誰にも言えない事は稀美果にとってストレスだったと思う。 ましてや一番の親友にも内緒にしていたんだからな。 全てを知った上で稀美果の側に居てくれるふたりに俺は感謝するよ。」



そんなふうに思ってくれて居たなんて…



「直寿、ありがとう。 波瀬川君とは友達以上の関係には絶対ならないから安心して! 私は直寿が一番好きだから」



稀美果は直寿に大好き!と抱き着いた。



「可愛い奥様そろそろ食事にしませんか?」



直寿の作ってくれたロコモコ丼はリーフレタスにプチトマトと一口大に切ったアボカドそれから勿論ハンバーグを乗せ、グレイビーソースをかけた物。

直寿の作るグレイビーソースは絶品なのである。



「うん!お腹空いた」




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