先生は私の旦那様
翌日からカモフラージュが始まった。



お昼を食べる為にいつものように屋上に居た。



ただひとつだけ違うのは波瀬川尚樹のお弁当を容易して来てることだ。

カモフラージュと言う事で迷惑をかけるからとお弁当を作ってあげる事にしたのである。



「はい、波瀬川君、お弁当どうぞ!」



波瀬川尚樹は悪いな?とお弁当を受け取り美味しそうに卵焼きを食べる。



「ねぇーその呼び方おかしくない?」

と碧は言い、ハンバーグを口に入れる。



「え?呼び方?」稀美果は首を傾げる。



「そぅ!だってさ付き合ってるのに波瀬川君って呼ぶのどうかと思うよ。一緒に居る私が尚樹って呼んでるんだから、稀美果も呼び捨てで良いじゃん!尚樹だって呼び捨てだしさ!練習に呼んでみなよ!」



えー波瀬川君じゃダメなのかな?…

なんだか恥ずかしいよ……



ほら早く!と碧に急かされ、稀美果は「な…なお…尚樹」と呟くように呼んだ。



すると波瀬川尚樹は頬を赤くし、おう!と照れて返事をする。



「尚樹、照れるのは良いけど、カモフラージュなんだから勘違いするんじゃないよ!」

と、碧は尚樹に釘を刺すと「分かってる!」と拗ねていた。



その後、碧に何度か練習させられ、なんとか照れずに尚樹と、呼べるようになった。



翌日からは稀美果が1組に顔を出しお弁当を持って「尚樹、お昼行こう!」と誘いに行くようになった。



すると、あっという間に学園中に二人の事は広まった。

放送部の後輩からも



「先輩、やっぱり好きな人居たんですね?サッカー部のキャプテンなんてお似合いです。人気者のふたり美男美女のカップルかー良いなー」



へぇ尚樹って人気あったんだ?

まー言われたら確かに格好いいとは思うけど…

でも、私は直寿一筋だけど!



「じゃー恋愛小説書いてるって言うのは嘘だったんですよね?やっぱりあの放送は告白の放送だったんだー」



うっとりしている後輩に何も言えない稀美果だった。



まぁこれで小説の進み具合なんか聞かれないから良いかな…





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