先生は私の旦那様
あれから暫くは尚樹との事を冷やかされたけど夏休みに入るとそれもほとんど無くなった。

うちの学校は進学校の為ほとんどの人が大学ヘ進む。

正直、人の事に構っていられないと、言うのが正直なところだと思う。
ほとんどの3年生は部活を引退し後輩の練習に付き合っている人は居ない
皆んな塾の夏期講習に励んでる様だ。

だが、二人だけ毎日後輩の練習に付き合ってる人が居る。
碧と尚樹だ。

碧は『なる様になるわ。』と言っているし、


尚樹は『俺からサッカーを取ったら何も残らない。』と言って朝早くから練習に参加している。


教師は自分が顧問をしている部活の練習や行事が有る時以外は当番制で出勤する。

直寿は今年からうちの学校に来たのでどの部の顧問も受け持っていないので当番の時だけ出勤して空いている日は、来年度からの本格的に始まる姉妹校へ移動する教師の選抜や準備に櫻瞳華学園に出向いている。


私は、直寿が出勤する時だけ部活へ顔を出す様にしている。
だが放送部の活動は夏休み前半で終わる為、後半は暇になる。
今日はバスケ部の練習の終わった碧を誘って駅前のカフェに来ていた。


碧はいつものバケツパフェで私はキャラメルラテ。



「碧って本当にパフェが好きだよね?いつもそんな大きなパフェひとりで食べちゃうんだもん。ある意味尊敬するわ。それに全然太らないし羨ましい。」

「私は、このパフェを食べるためにバスケやってるのよ!」と碧は笑う。

「ねぇ稀美果は夏休みクロリンとどっか行くの?旅行とかさ!」


碧は私が直寿と結婚してる事を知ってから直寿の事をクロリンと呼ぶようになった。勿論、尚樹もそう呼んでいる。

皆んなは直寿の前では呼んでいなかったけど、碧が直寿本人の前でもそう呼ぶから、皆んなも直寿にクロリンと呼ぶようになった。

初めこそ嫌な顔をしていた直寿だったが最近は慣れて来た様だ。







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