この手で、あなたを

 周囲の野次馬たちが騒がしい中、ぼうっと自宅を眺めながら、老婆が呟いた。

「ねぇ、あなた。もしかしたら、あの子かしら」

 老人は頷いた。

「そうかもしれんな」

 老婆は空を見上げた。

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