変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
「いらっしゃいませ。瀬戸様ですね。お連れ様が、奥のお部屋でお待ちです」

お店の人に案内され、奥の部屋へ進む。



美味しいと定評のあるイタリアンのお店の一室で、葉山 駿と向かい合わせに腰掛ける。

駿と会うのは、あの会議室の件以来だ。

個室に現れた私に、駿が、口角をわずかに上げ少し笑った。

「来てくれて嬉しいよ。美咲」

「こんばんわ…」


・・・・・


イタリアンのコースは、盛り付けも美しく、どの料理も美味しかった。

だけど、頭に散らつく矢野さんの笑顔と、一緒に作った料理の数々。




「お料理は以上でございます。何かご用がございましたら、お知らせください」

テーブルに、デザートの洋梨のタルトと、エスプレッソコーヒーを置いたウエイターが、綺麗にお辞儀をして下がる。



< 101 / 212 >

この作品をシェア

pagetop