変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
スーーッと、ゆっくり息を吐き出す。

「駿、貴方の心が知りたい。第3会議室で言った『ずっと大切にしたい』とは、どういう意味なの?」

駿の目をしっかりと見据え、彼の言葉を待つ。

「言葉どおりの意味だよ。それは、美咲と出会った頃から変わらない」

「変わらない?違うでしょ?
『ずっと美咲の事を大切にする』…貴方はそう約束したのに、あの花火大会の日に来なかった。
最初は、何かあったんじゃないかって、心配したわよ。でも、そうじゃなかった。
あんな約束を信じて待ってた自分が馬鹿みたいよ」

一気に言い切った。

「あの日の事は、悪かった。許してもらえるとは思っていない。
だけど、美咲の事を、ずっと大切に想っているのは自由だろ?」

「駿、『終わりにしよう』という言葉もないまま5年間も放置されたんだよ?
勝手に終わりにした貴方は、自分で分かってやってる事だけど、何も言われないまま、好きな人が目の前からいなくなった私の気持ちを想像した事ある?」

グッと拳に力を入れ、泣かないよう踏ん張る。


< 102 / 212 >

この作品をシェア

pagetop