変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off

熱い男

マンションに到着し、駿に支えられながら、6階の部屋までたどり着く。

駿に、鍵を開けてもらい、椅子に座らされる。

「キッチン借りるぞ」

テーブルの上にあった紅茶のティバッグで、紅茶を淹れてくれる。

私の前に、無言でカップを置いた。

「ありがと…」

「寒かったろう」

よしよし…と頭を撫でる。

あの頃と変わらない。駿は、いつも私を甘やかす。

『これからはガンガン行く』なんて言うから、警戒してたけど、今日は、駿が来てくれて、良かった。

あのまま、矢野さんの家に行ってしまったら、居心地の良さに流されて、また矢野さんと一緒にいたいなんて願ってしまう。

おとなしい三嶋さんが、あんなに怒るのも当たり前の事なんだ。

「駿、ありがとう。私を止めてくれて。人を傷付けてしまうとこだったよ」















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