変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
「ごめん!大丈夫ですか?」

…っう……大丈夫じゃないかも。

「大丈夫ですよ……こちらこそ、ぼんやりしてて……っ!」


ズキッ……痛い。


必死に謝る男の子に、笑顔を作る。

まだ早い時間だから、ゆっくり歩いて行っても、始業時間に間に合うだろう。


傷めた右足首をかばいながら、なんとか会社のあるO駅に辿り着いた。


よし!行こう。ゆっくりと歩き出す。後ろから、どんどん抜かれる。今度は、ぶつかられないよう、気をつけなきゃ…






「着いた…」

いつも、駅から10分くらいで会社に着くのに、倍以上の時間を要した。


従業員の通用口に向かって、歩き出す。


不意に、ふわりと身体が軽くなり、驚いた。

「病院へ行くぞ」

「えっ?……」

背後から来た駿に抱きかかえられ、車の助手席に押し込まれた。昨日の事が、フラッシュバックした。








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