変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
瞬く間に、卵雑炊を平らげ、食後に矢野さんが淹れてくれたほうじ茶をいただく。


「美咲、俺のために闘ってくれたんだって?」

優しい眼差しで、私を見つめる。

「あっ……」

三嶋さんから聞いたの?

「『矢野さんを傷付けないで!』て、怒ってくれたんだってね?」

言ったような気がする。三嶋さんに話しかけた直後は冷静だったけど、後半は何を口走ったか、覚えていない。

「……」

それを知ってるって事は、矢野さんは、もう三嶋さんにご主人がいる事も知っている?

「安心して。宏美とは、美咲が心配するような関係じゃない。宏美は俺の姉だから」

「……っ?」

パチパチと、瞬きを繰り返す。

「三嶋 宏美、旧姓 矢野 宏美。心配性な、5つ年上の実の姉なんだ」

「お、お姉さん?」

< 191 / 212 >

この作品をシェア

pagetop