年の差恋愛
「…大学の先輩と後輩ですよ、な、亜美ちゃん」
「あ、はい。そうです」

「…そうか…で?なんで2人がこんな所で一緒にいる?」

怪しんだ目で、日向を見つめ、そう言った茂はチラッと亜美の方も見た。

「…あ、家が近所なんで、一緒に帰ってたんですよね、安藤先輩」
「…うん、そう。そうなんですよ。統括部長もこの辺なんですか?」

「…まぁ…と言うか、澤田と同じマンションなんだけど」

悪びれもなくそう言い放った茂に、亜美は目をパチクリ。

日向も、驚いていた。

「そういう事だから、安藤部長は、自宅へどうぞお帰り下さい。私が一緒に帰りますので」

真顔で言った茂。…日向は、心配そうな顔で、亜美の方を見た。

「…えっと、安藤先輩。…ありがとうございまた…助かりました」

困ったような笑みを浮かべながら、亜美は日向に言った。

日向は溜息をつき、頷いた

「そういう事なら…亜美ちゃん、とにかく、あの事は、ちゃんと相談するんだよ?一人で抱え込んだらダメだからな」

「…はい」

日向はそう言うと、亜美達とは、反対方向に曲がって行った。


「…相談って?…何をまた、一人で抱え込んでる?」

亜美の後ろから、怒った声が聞こえてきた。
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