年の差恋愛
「…なんの事です?」
日向は怪訝な顔で、美鈴を見た。
「…その手、本当は治っていない。いいえ、もう、まともに動かない」
「…私生活に支障はありませんから」
…日向の手の傷は、思った以上に深く、神経をも傷つけていた。治療の甲斐もなく、その手は完璧な状態には戻らなかった。
「…私が貴方の左手になります」
「…俺は、貴女と向き合うつもりはないと言ったはずです。だからもう、俺の事は放っておいてください」
そう言い捨てると、日向は美鈴の横を通り過ぎていく。…が、美鈴が日向の左手を掴んだ。
日向はその手を振り払おうとしたが、うまく力が入らず、振り払えなかった。
「…どんなに嫌われてもいい。私は、日向さんの、傍にいますから」
美鈴の言葉に、日向は溜息をついた。…そして、ククっと笑う。
「な、何が可笑しいんですか?」
顔を真っ赤にして、美鈴は反論する。
「…強がっているようですが、美鈴さんの手が、あまりに震えているので」
「こ、これは…」
そう言って俯く美鈴の顔を覗き込むと、日向は美鈴に、問いかけた。
「…家までお送りしますよ」
「…」
そう言うと、助手席に美鈴を乗せ、自分は運転席に乗り込むと、エンジンをかけた。
「そんな手で運転できるんですか?」
「…心配なら、降りてくださって結構ですよ」
「…お、降りません!」
やっぱり強がる美鈴に、日向は終始笑いっぱなしだった。
日向は怪訝な顔で、美鈴を見た。
「…その手、本当は治っていない。いいえ、もう、まともに動かない」
「…私生活に支障はありませんから」
…日向の手の傷は、思った以上に深く、神経をも傷つけていた。治療の甲斐もなく、その手は完璧な状態には戻らなかった。
「…私が貴方の左手になります」
「…俺は、貴女と向き合うつもりはないと言ったはずです。だからもう、俺の事は放っておいてください」
そう言い捨てると、日向は美鈴の横を通り過ぎていく。…が、美鈴が日向の左手を掴んだ。
日向はその手を振り払おうとしたが、うまく力が入らず、振り払えなかった。
「…どんなに嫌われてもいい。私は、日向さんの、傍にいますから」
美鈴の言葉に、日向は溜息をついた。…そして、ククっと笑う。
「な、何が可笑しいんですか?」
顔を真っ赤にして、美鈴は反論する。
「…強がっているようですが、美鈴さんの手が、あまりに震えているので」
「こ、これは…」
そう言って俯く美鈴の顔を覗き込むと、日向は美鈴に、問いかけた。
「…家までお送りしますよ」
「…」
そう言うと、助手席に美鈴を乗せ、自分は運転席に乗り込むと、エンジンをかけた。
「そんな手で運転できるんですか?」
「…心配なら、降りてくださって結構ですよ」
「…お、降りません!」
やっぱり強がる美鈴に、日向は終始笑いっぱなしだった。