年の差恋愛
配り終わると、資料室に向かい、必要な資料を探す。

「…届かない」

亜美の身長では、高い場所にある資料が届かない。脚立を探すも、見当たらない。

「…どうしよう。もう一回手を伸ばして届かなかったら、誰かに頼もうかな」

そんな事を言いながら、再び手を体を目一杯伸ばすと、なんとか取れそうになった、のに。資料が思いのほか重かった。

資料は取れたが、重さでバランスを崩し、亜美は資料と共に倒れる。

「危ない!」

「…」

ドサッと資料は床に落ちたが、亜美は誰かに、抱き締められ助けられた。

「…ありがとうございま…」
「…トロいぞ、澤田」
「…」

助けてくれたのは、市来部長だった。市来部長も、別の資料を探しに、ここに来たのだが、それが不幸中の幸いか、亜美を助ける事になった。

…昨日から、亜美は市来部長に助けられっぱなしだ。

「もうちょっとしっかりしろ」
「はい、すいません…あの」
「…なんだ?」

亜美の言葉に、不機嫌に答えた市来部長。

「…離してもらえますか?」
「…」

市来部長は、亜美を抱き締めたままだった。亜美に言われ、離すのがと思ったのに、市来部長は離さない。

この体勢に恥ずかしくなってきた亜美は、顔を真っ赤にさせた。

「…市来部長」
「…細いな」

「///‼︎」
こ、これは…

「幼児体型か?」
「〜〜〜〜〜っ‼︎」

市来部長の問題発言に、流石の亜美も、睨んだ。
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