年の差恋愛
「…プッ…クックックッ」

亜美から顔を背けると、突然笑い出した市来部長。亜美は驚き目を丸くする。

「…お前虐めるのって、面白い」
「なっ⁈」

丸い目が、今度は見開かれ、市来部長は益々笑ってしまう。

「市来部長、そんなんだから、彼女の1人も出来ないんですよ!離してください!」

怒り心頭の亜美は、市来部長が怖いということをすっかり忘れ、爆弾を投下した。…あ。と、思った時は後の祭り。

笑顔は消え、今度は亜美が睨まれる番。怖くて、亜美は目を泳がせた。

「…それじゃあ、お前が俺の彼女になってくれるか?」

「…へ⁈」

今度はギョッとした顔をした亜美。すると、また、市来部長は肩を震わせ笑っている。

「…冗談だ。…お前みたいなお子様に興味はない」

そう言うと、やっと、亜美を解放した市来部長は、落ちた資料を亜美に渡し、自分も必要な資料を取ると、さっさと資料室を出て行った。

呆気に取られていた亜美は我に返り、思わず地団駄を踏んだ。

「もう!からかわれた!くやし〜‼︎」

と、言ったのも束の間。市来部長の怒った顔が目に浮かんだ亜美は慌てて資料室を出ると、オフィスに戻り、仕事を始めた。
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