年の差恋愛
「…ご、ごめん、仕事しよう」

苦笑した亜美は、任された書類整理を始める。健斗も苦笑し、入力の続きを始めた。

やっぱり怖い、と、市来部長をチラッと見た亜美は、バッチリ市来部長と目が会い、顔が引きつった。

思いっきり睨まれた。…別に何も悪い事はしてないのに。

亜美は直ぐさま下を向き、仕事に集中した。

…長い長い午前中の仕事が終わり、ようやく昼休み。健斗と2人で社食に向かうと、研修で知り合い仲良くなった、細川梓(22)に出会した。

「あ、亜美!健斗!お疲れー」

梓は白黒ハッキリして、なんでもテキパキこなす、美人な女の子。そんな梓が亜美は羨ましくてしょうがない。

「…梓、うるせーよ。少しは、亜美を見習って、大人しくしろよ」

「…へーへー、悪うございましたー」
「…全然悪いと思ってね〜。亜美も何とか言ってやれよ」

梓の態度に呆れながら、健斗が言う。亜美はクスクスわらいながら、首を振る。

「…梓ちゃんは、それでいいよ。私みたいに、優柔不断で、意見できない様な女になっちゃダメだよ」

「わかってくれるのは、亜美だけよ!ふん!健斗なんてわかってくれなくていいよーだ」

…なんだか、子供の喧嘩だ。と、思う亜美だった。
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