年の差恋愛
お昼休みに、梓や健斗と話が出来た事が、息抜きになったのか、亜美は、いつものペースに戻れ、地道にコツコツ与えられた仕事をしていく。

「…澤田!」
「…は、はい!」

仕事に集中していた亜美に、市来部長の怒鳴り声が聞こえ、ガタンと勢いよく椅子から立ち上がる。

…今の所、ミス一つなく、マイペースに仕事をこなす亜美は、何故怒鳴り声で亜美を呼んだのか、さっぱりわからず、ビクビクしながら、市来部長のデスクの前へ。

「…澤田、お前はトロいのか?」
「…は?」

「これと、これと、これ。今日中に赤字を訂正して書類作成。出来たら俺の所に持ってこい」

「…あの、まだ、他の仕事が幾つか任されてるんですが…」

少し震えた声で訴えた。…一人でこの膨大な仕事量を、新入社員の亜美に任せる事自体間違えてる。

「…新入社員だからって仕事を甘く見過ぎだ!それくらいできないでどうする?そんな事言ってる暇があったら、さっさと仕事にとりかかれ」

「…は、はい!」

思いっきり睨まれて、そう言われたら、もう逃げられない。亜美は渡された書類を握りしめ、くるりと体を反転させると、そそくさとデスクに着き、コツコツと仕事をこなし始めた。
< 4 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop