年の差恋愛
「…今日から一週間、総務部に補助で入ってくれることになった有坂美鈴さんです。彼女は、埼玉支社で、総務に従事しているから、なんでも頼ったらいい。有坂さん、挨拶して」

「…有坂美鈴です。一週間だけですが、皆さんのお力になれるよう頑張りますのでよろしくお願いします」

美人な美鈴に、皆好感を持った。奥ゆかしい、大和撫子のような女性だ。

「…澤田、大まかな事、教えてやってくれ」
「…はい、澤田亜美です。よろしくお願いします」

「…よろしくお願いしますね。澤田さんて、とても可愛らしい方ね。笑顔が可愛い」

「…いや、そんな事は」

四苦八苦しながら、業務内容を教えていく亜美。…流石は総務で従事しているだけある。美鈴は、仕事に関しても完璧だった。

…昼休み、何時もなら健斗と梓と社食でランチを摂る亜美だが、今日は、美鈴とランチを摂る。

どこを取っても申し分ない完璧な美鈴に、亜美は何だか敗北感を感じていた。

そんな中、亜美の携帯が鳴る。…茂からのLINE。一緒に帰ろうと言うものだった。亜美は、思わず顔をほころばせる。

「…彼氏から?」
「…はい、最近付き合い始めたばかりで」

そう言ってはにかむ亜美を見て、美鈴は優しい笑みを浮かべた。

「…そうなの。澤田さんは、可愛らしいから、彼氏も鼻高々ね。羨ましい」
「そ、そんな事ないですよ。彼氏は、なんでも出来て完璧で、私には勿体無いくらいなんです」

「…そんなに謙遜しないの。彼氏、いいなー。私なんて、今もう36歳よ。この歳で彼氏もいないなんてイタすぎるわよ」

「エッ⁈36歳何ですか⁈…見えないです。そんなに美人で、完璧な有坂さんなら、彼氏なんて、すぐできますよ!」

「…うーん、そんな事ないわよ。前の彼氏だって、私の事ポイッて捨てたしね」
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