年の差恋愛

「…27歳差って…ヘタしたら親子じゃない。犯罪みたい」
「…バカな事を言うな」

「…ちょっと良く考えた方がいいわよ？澤田さんが22なら、ご両親だってまだそんなに年はとってないはずよ？ヘタしたら、同い年って事もあるわよ。もし、結婚も考えてるなら、大反対よ？分かってる？」

「…言われなくても分かってる。…彼女には、まだ話した事はないが、結婚も考えてるほど本気なんだ。反対される事も覚悟の上だ。美鈴に心配されるような事じゃない」

茂の本気の言葉に、美鈴は降参したように、溜息をついて言った。

「…そこまでの覚悟があるなら、何も言わないわよ。…私の入る余地なんて微塵もないわね。…まだ、こんなに貴方が好きなのに」

「…悪いな、美鈴」
「…ふん。さ、食事も済んだし、帰りましょう」

「…あぁ」

2人とも、スッキリしたような顔になり、店を出ると、そこで別れようと互いに挨拶をした。

「…幸せになってね」
「…あぁ、必ず幸せになる。美鈴も、良い男見つけろよ」

「…ふん、言われなくても、貴方より数百倍良い男見つけてやるわ」

2人は、顔を見合わせて笑った。

「…市来部長、と、…有坂、さん？」

その声に驚いて、2人は振り返った。

…そこには、梓と健斗そして…亜美の姿があった。

梓と健斗は、険しい顔つき、亜美は、顔面蒼白。

「…ご、めん、私、帰るから」
「「あ、亜美‼︎」」

梓と健斗の声が重なる。それと同時に動き出したのは、健斗だった。

「ちょっ、市来部長！何してんのよ！早く追いかけなさいよ！勘違いしてる！」

そう叫んだのは、美鈴だった。