年の差恋愛
…その場を走り去った亜美だったが、少し、お酒に酔っていた為、覚束ない足で走っていた。

後から追いかけてきた健斗は、すぐに亜美に追いついた。

「亜美‼︎待てって」
「…ごめん、健斗君、…今は一人になりたい」

「…そんな泣き顔見せられて、放っておけるわけないだろ!」
「…」

「亜美、市来部長と付き合ってんだろ?なんで有坂さんと、あんなレストランから出てくんだよ?」

「知らないよ!私が知ってるわけ…ただ」

「…ただ?」

「あの二人…前に、付き合ってた」
「…んだよ、それ」

亜美は涙を止めようとゴシゴシと目をこする。が、健斗はその手を止めた。

「バカ、あんまり擦んなよ。明日悲惨な顔になるぞ」
「…いいよ…もうどうなったって」

「…亜美」


「…亜美‼︎」

息を切らせて走って来た茂が、亜美の名前を呼んだ。健斗は、亜美の手をギュッと掴む。


「何しに来たんですか?」
「…お前には関係ない。俺が用があるのは亜美だ」

「…亜美を傷つけといて、何を今更」
「煩い!…亜美、来い‼︎」

茂は、亜美を強引にその場から連れ去った。
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