年の差恋愛
ベット脇の小さなBOXに手を置いた亜美は、自分の手を凝視した。

…BOXに手を置いた時、カツンと音がしたからだ。

「…これは」

左の薬指にはめられた、小さなダイヤのついた指輪。それはとてもキラキラと輝いて、目を奪われたように、それを見つめていた。

「…お、目が覚めた?気分はどう?」
「…茂さん、これ」

ウルウルとした目で、茂に左手を見せれば、茂は少し恥ずかしそうにはにかんだ。

「今日、何の日か知ってるか?」
「…何の日ですか??」

色々考えてみるも、さっぱり思いつかない亜美は首をかしげる。

すると茂はニコッと笑って。

「…亜美、誕生日おめでとう」
「…あ」

デートの事で頭が一杯で、自分の誕生日の事なんて、これっぽっちも頭になかった。

「…デートは先延ばし出来るけど、誕生日は、待ってくれないからな。それに…一応それ、婚約指輪のつもり」

亜美は驚き過ぎて、目をパチクリさせた。

「…亜美、俺と結婚してください」
「…はい。私で良ければ」

亜美の部屋。亜美はパジャマで、頭もボサボサ。色気もへったくれもない突然のプロポーズ。

だけど、亜美は泣ける程嬉しかった。

「…ムードも、色気も何も無いけど」
「ううん、凄く、凄く嬉しいです」

可愛い亜美に、チュッとキスをした茂。

「…ぁ、風邪うつります」
「いいよ、うつっても…」

なんて、茂は笑った。
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