年の差恋愛
今日も一日頑張れそうだ。そんな思いで仕事を始める事数時間後。亜美の携帯が鳴る。

…着信相手は、亜美の母からだった。

亜美は、オフィスを出て、休憩室でそれに出た。

「もしもし?」
『久しぶり亜美』

「本当、久しぶり、ママどうしたの?こんな時間に電話してくるの珍しいね」
『そうなの、ゴメンね。仕事中なのに電話して』

「ううん、それはいいんだけど、何かあった?」
『えぇ、これまた突然なんだけど、今日、そっちに行くから』

「エ?今なんて?」
『だから、急にパパと休みが合ったから、亜美の所に遊ぶに行こうってパパが突然言い出してね?』

「冗談でしょ?今日の仕事だっていつ終わるのかなんてわからないし」
『それは全然問題ないわよ。私もパパも三連休でね。その辺ブラついてるから。それに、亜美が帰ってなくても、マンションの合い鍵持ってるしね』


「そうだけど・・・急過ぎよ」

亜美の意向なんて聞こうともしない母に、亜美は若干呆れている。でも、毎度の事なので、半ば諦めているんだけれど。

『しょうがないじゃない。一人娘が心配でしょうがないのよ、パパ。それに一度言い出したら聞かない人だって、亜美だってわかってるでしょう?』

「…分かった。もう、仕方ない」
『流石、亜美』

「・・・」
『それじゃあ、また後で連絡するから』

「はいはい。また後でね」

そう言って携帯を切ると、亜美は、思わず溜息をついた。
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